日本は平均寿命が男女ともに80歳を超える、世界的に見ても長寿の国ですが、健康寿命と呼ばれる「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」としても70歳を超え、いつまでも元気に過ごすことに意識の高い国と言えるでしょう。
しかし認知症は、誰にでも可能性があり、若年のうちから発症される方もいらっしゃるので、加齢だけが原因ではありません。生活習慣や遺伝なども影響します。
認知症の予防は、早めに始めることが大切です。この記事では、運動や脳トレ、食事や社会参加など、30代・40代からできる日常生活に取り入れやすい方法をご紹介します。認知症予防のために、今日から始めましょう。
認知症とは、さまざまな原因で脳の神経細胞が死んだり、働きが悪くなったりすることで、記憶や思考、判断などの認知機能が低下する症候群のことです。
認知症の主な症状は、以下のように分類されます。
記憶障害、見当識障害(現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況を把握すること)、失行(作業の順序を覚えること)、失語(会話や文字での表現や理解)、失認(見えていはいるが、目の前にあるものが何か分からなかったり、名前が分からなかったりすること)などの認知機能の低下です。
性格や環境、人間関係などが影響して起こる妄想、抑うつ、不安、徘徊、興奮、攻撃などの精神症状や行動の異常です。
認知症は進行性の病気で、初期段階では軽度なもの忘れや見当識障害が見られ、中期段階では日常生活に支障をきたすようになります。末期段階では人格変化や言語機能の低下が起こり、寝たきりや昏睡に陥ることもあります。
認知症にはいくつかの種類があり、それぞれに原因が異なります。
脳の神経細胞が変性して脳の一部が萎縮していく過程で起こる認知症です。遺伝的要因や生活習慣などが関係していると考えられています。
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって、脳の血液循環が悪くなり、脳の一部が壊死してしまうことで起こる認知症です。原因は高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病です。
レビー小体という特殊なものが脳の神経細胞にできることで、神経細胞が死滅してしまうことで起こる認知症です。アルツハイマー型認知症と同様に遺伝的要因や生活習慣などが関係している可能性があります。
脳の前頭葉や側頭葉にある神経細胞が変性して萎縮することで起こる認知症です。遺伝的要因や自己免疫反応などが関係していると考えられています。
他にも、ビタミンBや葉酸などの栄養素の不足、呼吸器・肝臓・腎臓疾患など内科的疾患によっても認知症のような症状があらわれることがあります。
認知症は、現在の医学では完治が難しい病気です。しかし、日常生活に取り入れられる予防法がたくさんあります。
認知症にならないために、気軽に始められることを中心に、予防のポイントなども解説しつつ具体的な方法をご紹介します。
認知症予防のためにも日常生活から気を付けたいですが、なんでも取り入れてみるのがよいわけではなく、その方法を選択する重要なポイントとして、以下のようなものがあります。
これらの方法は、脳血管や神経細胞を健康に保ち、脳の活性化や老化の防止につながります。
当てはまる方法かどうかを検討し、効果的に取り入れていきましょう。
まずは日常の食生活から手軽に取り入れられる食事から紹介します。
【食事】
納豆や豆乳などには、大豆レシチンという成分が多く含まれており、神経伝達物質を生成することで記憶力の低下や認知症の予防に効果があるとされます。
にんじんやかぼちゃなどには、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質が多く含まれており、生活習慣病やアミロイドβの蓄積の予防に効果が期待できます。
カレーに使われるターメリックには、クルクミンという成分が含まれており、免疫細胞を活性化して認知症を予防する効果があるといわれています。
カマンベールチーズには、BDNFという成分が含まれており、記憶力の回復や認知症の発症リスクを下げる効果があります。
食物繊維の一種のβ‐グルカンが含まれており、腸内環境を整え脳の血流を改善する効果があります。また、東北大学の研究で週に2回以上キノコを食べる人は、食べない人に比べて 認知症の発症率が約半分 に低かったという結果が出ています。
【飲み物】
飽和脂肪酸やコレステロールが多く含まれており、血管の老化や動脈硬化を引き起こす可能性があります。これらは、脳血管性認知症の原因となります。
コーヒーに含まれるカフェインには、利尿作用があり、血液中の不要なタンパク質の排出を促します。また、βセクレターゼという成分も、アミロイドβを減らす可能性があるため、認知症予防の効果も期待できます。
赤ワインに含まれるレスベラトロールには、記憶力の回復や認知症の発症リスクを下げる効果があります。また、赤ワインに含まれるカリウムには高血圧を改善する効果があるため、血管性認知症の予防に役立つことが期待されています。
【避けたいもの】
飽和脂肪酸やコレステロールが多く含まれており、血管の老化や動脈硬化を引き起こす可能性があります。これらは、脳血管性認知症の原因となります。
トランス脂肪酸が多く含まれており、血液中の善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やします。これも、動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高めます。
糖分が多く含まれており、摂りすぎると血糖値が急上昇し、インスリン抵抗性を引き起こします。これは、糖尿病やメタボリックシンドロームの原因となります。 糖尿病はアルツハイマー型認知症の発症率を2倍に高めるとも言われています。
医師から処方される薬には、一般的には記憶力や思考力の低下を緩和したり、日常生活の自立度を高めたりすることが期待できます。
医師の指示に従い、用法を守って服用することで、効果が得られる可能性は高いでしょう。
しかしサプリメントについては、認知症予防や改善に効果があるという科学的な根拠はほとんどありません。また、サプリメントに含まれる成分は、食事から摂取できるものも多く、過剰摂取すると副作用を引き起こす可能性もあります。世界保健機関(WHO)も、サプリメントの使用を推奨しないとしています。
認知症は、年齢を重ねるにしたがってどんどん深刻になる、誰にでも身近な問題です。だからこそ、簡単なトレーニングを日常生活に取り入れることで、少しでも認知症の発症のリスクを減らしたりや進行を遅らせたいものです。
認知症予防のために効果的なトレーニングの種類や方法を紹介します。
認知症を予防するには、脳の血流を増やしたり、脳の活性化を促したりすることが重要です。そのためには、適度な運動や体操が効果的です。
軽い負荷で長時間続けられる運動で、脂肪を燃焼させて血管の健康を保ちます。ウォーキング、水泳、サイクリングなどがあります。
筋肉トレーニングのことで、筋肉量を増やして基礎代謝を上げます。椅子に座って足踏みやグーパーをしたり、踏み台昇降運動や縄跳びなどがあります。
運動と認知課題(計算やしりとりなど)を同時に行うことで、脳の活性化を高めます。コグニサイズ(コグニション(認知)とエクササイズ(運動)を組み合わせてできた新しいエクササイズ)というプログラムがあります。
歌やリズムに合わせて手足を動かすことで、デュアルタスクの効果に加えて音楽の効果も得られます。
これらの運動や体操は、無理のないように週に3回以上、1回20分以上行うことがおすすめです。 運動前後にはストレッチを行い、水分補給や暑さ寒さ対策も忘れずに行いましょう。
趣味やゲームなどの知的活動も効果的です。記憶力や集中力も向上だけでなく、他人と一緒に手遊びをすることで、コミュニケーション能力や社会性も高めます。
指を動かしながら考えたり、目で物の動きを追いながら考えるため、脳を刺激することができます。
囲碁や将棋など。記憶力や思考力を高める他、相手の出方を予想したり数手先まで考えたりするため、脳の活性化につながります。
パズルやクイズ、100マス計算など、脳の認知機能を鍛えることができます。
音楽を聴くだけでも脳に良い影響を与えるますが、楽器を演奏することはさらに効果的です。
編み物や刺繍などの手芸は、手先の細かい動きや色彩感覚を鍛えることで、脳の神経回路を刺激します。また、時間かけてコツコツ作った作品に対し、満足感や達成感を感じることもできます。
茶摘み・アルプス一万尺・お寺の和尚さん・ずいずいずっころばし・おせんべ焼けたかななど、小さな子どもとも共通して遊べる手遊びを交えた遊び歌で、違う世代とのコミュニケーションも図ることができます。
感情認知能力や共感能力も向上します。読書はストレスを軽減し、気分を明るくする効果もあります。
これらの予防法は日常生活で簡単にできるものばかりです。無理なく楽しみながら継続できることが重要です。
認知症予防を始める年齢の目安は「40代」と言われています。一般に、「脳の老化は40代後半から始まる」と言われているからです。 実際に、うっかりミスが多くなったり、もの忘れを自覚するのはそれくらいの年齢が多いようです。
また、認知症で最も多いアルツハイマー型認知症の原因物質は発症する20年ほど前から溜まるともいわれています。 ですから70歳で発症した場合は、50歳から発症原因の物質がたまり始める計算になります。
しかし、30代など、早くから意識をして認知症予防に取り組むことは決して早すぎるということはありません。 30代は何かと生活が変わる時期です。 仕事もプライベートも多忙を極めることが多く、生活習慣が乱れやすくなります。また、精神的なストレスも溜まりやすくなります。
これらの要因は、認知症だけでなく他の疾患のリスクも高めます。ですから、30代からでも自分の体と心に気を配って、健康的な生活を送ることが大切です。
誰にでも、いつ歩み寄ってくるかわからない認知症。日頃の生活から予防を心がけて、少しでも長く健康寿命を延ばしたいものです。そのためには、脳の健康にいい活動を積極的に取り入れるところから始めましょう。
実は、そろばんはこれまでに出てきたポイント
(計算しながらそろばんをはじく、聞こえた数字を計算に落とし込む…など)
が含まれており、他にも集中力やのほか情報処理能力など様々な脳のトレーニングに効果的であることがわかっています。
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