「脳トレ」という言葉を聞いたことがありませんか。足腰を鍛える筋トレがあるのと同じように、脳を鍛える「脳トレ(脳トレーニング)」があります。脳トレを行うことで、大人でも脳にたくさんのメリットが得られます。
この記事では、大人の脳トレの重要性を踏まえて、脳トレで鍛えられるもの、今日から取り入れられる大人の脳トレのおすすめの方法を紹介します。
「最近ものの名前がなかなか出てこないことがある」「何をやろうとしたか・言おうとしてか忘れてしまった」ということがありませんか。もしかすると脳の機能が衰えているかもしれません。人間の体の機能は加齢により少しずつ衰えていきます。脳を鍛えるために「脳トレ」を行うことで、脳を活性化させたり、認知機能低下のリスクを防いだりすることができると言われています。
また65歳から増加傾向にある認知症は、ある日突然発症するのではなく20~30年かけてゆっくり進行する病気であることが解明されつつあります。認知症の予防や対策は30~40代から始めるのも重要です。もの覚えが悪くなったり、もの忘れが増えたと感じるようになったら、脳のトレーニングを始めてみましょう!
脳トレを行うと脳の血流量が増え、次のような効果が得られると言われています。
それぞれの効果について具体的に解説していきます。
「昨日の夕食に何を食べたか思い出せない」「新しいことを始めてもすぐ覚えられなくなった」ということがありませんか。老化により、脳で記憶を司る次のような機能が少しずつ低下していくためです。
脳トレによって脳に刺激を与えると、記憶を司る部分を鍛えることにもつながります。アメリカで2832人を対象に認知トレーニング(脳トレ)を行った10年間にわたる追跡調査研究では、認知トレーニングを受けたグループは、10年間何もしなかったグループにくらべて記憶、推論、処理スピードに関する認知機能が改善、かつ10年間その効果が維持されていたという結果が出ています。
人間の脳には右脳と左脳があり、それぞれで持つ機能や特徴が異なります。
人間は0~6歳まで右脳優位のため、子どもは吸収力が高くどんなこともすぐに覚えます。その後成長とともに左脳優位となるため、記憶容量が小さくなり、覚えられる量に限りが出てしまうのです。
脳トレは脳に刺激を与えることで右脳を鍛えます。大人になってからでも、ひらめきや感性、想像力を磨けるだけでなく、記憶力も鍛えられます。
非認知能力とは、次のような生きていくうえで必要となる、数値などのデータでは測れない能力を指します。
経済学者であるジェームズ・ヘックマンの研究では、非認知能力を身に付けていた人は、身に付いていない人にくらべて40歳時点で年収が高く犯罪率が低い、という結果が出ています。さらに心理学者のアンジェラ・リー・ダックワース教授の研究では、様々な分野で顕著な功績を残した人物を分析した結果、GRIT(やり抜く力)の有無が社会的成功に影響しているという結論を出しています。
非認知能力は、ひとつのことをやり遂げる、チームのメンバーと一緒に働くなど、仕事や社会で成功するためにも必要な力です。脳トレにコツコツ取り組むことは、非認知能力を鍛えることにもつながります。
認知能力とは、次の要素を含む能力を指します。
認知能力は日常生活を送るのに必要となるのはもちろん、学習の土台となる能力です。自動車事故の原因にも多い「アクセルとブレーキを踏み間違える」が発生する理由のひとつに、認知能力の低下が挙げられます。
認知能力を鍛えるトレーニングのひとつに紙とエンピツを使った「コグトレ」があります。脳トレはコグトレの一種でもあり、高齢者施設などでも認知機能を維持するレクリエーションの一環として脳トレが取り入れられています。
知育玩具やゲーム、ドリルなど子ども向けの脳トレのツールはたくさんあります。一方で、大人も夢中になれる脳トレのツールも豊富にそろっているのをご存じでしょうか。興味のあるものや、楽しく取り入れられるものを選んで、今日から大人の脳トレを始めてみましょう。
紙と鉛筆を使った脳トレに活用できるツールは、オーソドックスだからこそさまざまなスタイルのものがあります。
書かれたイラストや画像にきれいに色を塗る塗り絵は、自分のペースで好きなように取り組めるツール。さらに創造性もはぐくめるほか、指先を使うため認知機能のトレーニングや、大人の脳トレに活用できるツールとしても向いています。
塗り絵を趣味とする大人も増え、難易度の異なる塗り絵や、大人向けの塗り絵教材なども発売されています。
脳トレ向けの本やドリルは、大きく分けるとふたつあります。いずれも考える、思い出す、覚える、指先を使う作業により脳に刺激を与えられます。
紙へ実際に書き込むもの
読んで覚えてから、ノートなどに書き出すもの
「脳トレに取り組んでみたいけれども、どんなものを購入していいか分からない」「本やドリルを購入しても、続けられる自信がない」というときには、オンラインで入手できるプリントを活用する方法がおすすめです。
個人や企業のホームページなどで、脳トレ向けのプリントやドリルを無料でダウンロードできます。プリンターで印刷すれば、1枚から気軽に脳トレに取り組める教材が入手できます。
脳トレ向けのプリントも、漢字、言葉探し、計算などさまざまなものがあります。気軽に取り組みたいときにぜひ活用してみましょう。
脳トレというと、脳に刺激を与えるために「考える」「覚える」などの頭を使うことが必須であるイメージを持つ人も多いです。実は体を動かすことでも脳に良い影響を与え、脳トレとして活用できる方法がたくさんあります。
実際に体を動かすことで脳トレにもなるものを紹介していきます。
独自の呼吸を取り入れているヨガは、有酸素運動のように脳にも良い影響を与える可能性があることが多く研究されています。日本ヨガ連盟の行った脳科学の研究では、ヨガを含むさまざまな呼吸法を含む動作を行うと、呼吸法直後に血中のセロトニン濃度の増加が認められました。
セロトニンは、ハッピーホルモンとも呼ばれています。脳幹にあるセロトニン神経が活性化することで、次のような脳機能の変化も認められています。
ヨガは筋トレなどとくらべると体への負担も少なく、マイペースに取り組めるのもメリット。日ごろの運動不足解消やリラクゼーション効果も得ながら、脳に良い影響も与えてくれます。
指先を動かすと脳に刺激を与える、と聞いたことがありませんか。指先には脳につながっている神経が集中しているため、指先を動かすことで脳トレの効果も得られます。
加齢により体をうまく動かせなくなった高齢者の方でも、指先なら動かせます。認知機能を鍛えるために、高齢者の方でもできるのが「指体操」です。指体操には、左右の指で違う動きをする、指を回す、指を折るなど難易度もさまざまなものがあります。特別な道具も必要なく、空いている時間に気軽に脳を鍛えられるでしょう。
ゲームができるおもちゃや知育玩具は、「考える」ことと指先を動かすこと両方から脳に刺激を与えられます。つまんだり、回したりして操作する型はめやパズルなどがあります。
スマホやゲームで脳トレができるものもたくさんあります。外出先にも持ち運べるため、隙間時間を使って気軽に脳トレができます。
スマホアプリのなかには、すでに紹介しているドリル形式やクイズ形式など、さまざまなタイプの脳トレアプリがあります。「世界最高年齢のアプリ開発者」として知られる、若宮正子さんが開発したシニア向けスマホアプリ「hinadan」もそのひとつです。hinadanでは指先でお雛様を並び替えて、正しいお雛様の並び順を学べます。
若宮正子さんは、当時82歳でアプリ開発を行いました。脳を鍛えることで、若宮さんのように生涯現役ではつらつとした生活を送ることもできます。
家庭用ゲーム機や携帯ゲームでも、脳トレ問題、計算、パズルなどの脳トレ向けのソフトが多く発売されています。実はゲームをすることで頭を鍛え、脳に良い影響を与えることがさまざまな研究結果によって分かってきています。
かつてゲームは子どもが遊ぶものというイメージがありました。現在では脳トレをはじめ、子どもはもちろん大人も楽しめるソフトも増えています。ゲームは子どものおもちゃだけでなく、脳トレにも活用できる大人のツールでもあると言えるでしょう。
習い事のひとつである「そろばん」は、計算力を鍛えるだけではありません。計算力以外にも脳を鍛えるさまざまなアプローチができます。
計算を行う、暗算をする、小さな珠をはじくなど脳に刺激を与えることはもちろん、コツコツ計算をする、目標に向かって努力するなどで集中力や忍耐力などの非認知能力の向上にもつながります。計算力や判断力、情報処理能力などの認知能力を身に付けるのにももちろん有効です。
そろばんは子どもの習い事というイメージのある方も多いですよね。前述通り、脳を鍛えられるメリットがたくさん得られるそろばんは、大人の習い事としてもおすすめです。近年では、子どものときの学び直しをしたい人はもちろん、計算力や認知能力を鍛えるために、そろばんが大人の習い事として人気となっています。
とはいえ「そろばんを習いたいけれども時間がない」「足を運ぶのが面倒」など、そろばんに興味があってもなかなか習えないという方も多いですよね。そこでおすすめなのが「いしど式」そろばんです。
いしど式では、教室での学習はもちろん、午前中の枠も利用できるオンラインでのそろばん学習、自分のペースでそろばん学習を進められるeラーニングなど、一人ひとりの学び方やペースに合わせた授業形式を展開しています。
いしど式そろばんでは、大人の方はもちろん、海外からそろばんを学びたい方にもぴったりです。学びやすく続けやすいいしど式のそろばんで、今日から脳のトレーニングを始めてみましょう。
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