「子どもの計算力を上げたい」「算数・数学の受験対策をしたい」などの理由から、子どもにそろばんと公文どちらに通わせるべきか悩む方も多いです。そろばんと公文いずれも計算や暗算などに強いとされる習い事ですが、学び方や特徴に違いがあります。
この記事では、そろばんと公文の違いを踏まえた特徴、メリット、両方を習わせた場合について解説します。
目次
おもに計算や算数の学習に役立つ習い事として、「公文」と「そろばん」はよく比較されます。両者の違いをふまえた特徴を解説します。
公文式は、解き方ややり方を教えるのではなく子どもが自分自身の力で教材の問題を解く「一人ひとりの可能性を追求し、その能力を最大限に伸ばす学習法」を採用しています。将来自分自身で生きる道を切り拓いていける健全で有能な人材の育成が、公文式の目的です。
公文式の学習ステップには、以下の特徴があります。
公文式は、数字を直線的・言語的に考えて計算をします。「足す」「引く」というよりは「次の数」「前の数」という感覚で、くり上がり・くり下がりという考え方があまりありません。簡単な足し算や引き算は最小限度として、早めに中学生や高校生の数学が解けるようになることを目的としているためです。
そろばんとは、計算を補助する道具のひとつです。おもに足し算・引き算・割り算・掛け算の「四則演算」の計算に用いられます。
そろばんは、横長の枠に串刺しで並んだ珠を指で弾はじいて上下させることで計算を行います。串刺しの軸1列=桁表しているため、計算後に軸を正しく読み取ることで数が分かるのが、そろばんの仕組みです。
そろばんは、概念である「数」を「珠」に置き換えることで、目で見て具体的に理解できるのが特徴です。人間の脳は、目に見えるもの(視覚)、耳にきこえるもの(聴覚)、手に触れるもの(触覚)、などの具体的なものに対する感覚は強く、数の概念といった抽象的なものには弱くできていると言われています。そろばんによって概念である数を可視化できるため、くり上がり、くり下がり、位取りも目で見て簡単に理解できるのが特徴です。
そろばんは珠を弾いて計算することから、数は視覚的にわかる「まとまり」で考えます。計算の方法は、たとえば、9+2の計算は2を足せない=1取って10にするという考え方で行うのが特徴です。
公文とそろばんそれぞれで特徴が異なります。学習する目的別にどちらを選んだ方が良いかをまとめました。
算数は、計算だけでなく時計の読み方、図形などの分野も学習します。どんな算数の力を身に付けたいかで、公文かそろばんを選びましょう。
公文では分数や少数などの数の仕組みをしっかりと学びます。数の仕組みを理解しつつ算数の力を伸ばしたいなら公文が向いているでしょう。
算数のなかでも、計算力を特に伸ばしたいときにはそろばんが向いています。そろばんを通じて計算を早く正確に行う力が身に付きます。なおそろばんでは暗算力も身に付くため、買い物をするとき、分量を量るときなど日常生活で暗算が必要となる場面でも素早く計算することができとても便利です。
頭の回転の速さは、脳の前頭葉の働きが深くかかわっているとされています。前頭葉の発育を促す方法のひとつが、「単純計算の繰り返し」です。同じ計算を反復して行うことで、反射による処理スピードが上がり、情報処理能力が上がる=頭の回転が速くなる、と言われています。
子どもの習い事として通わせるなら、そろばんがおすすめです。そろばんは計算力はもちろんですが、いしど式では、加えて記憶力や集中力など生きていくうえで必要となる「6つの力」も一緒に身に付けられます。人間の脳は12歳までに急速に伸びると言われており、そろばんを幼児のときから習い事としてはじめることで、将来的に必要となる力を身に付ける上で多くのメリットが得られるでしょう。
算数の成績を上げるだけではなく、基礎能力の土台を築くという点なら、そろばんがおすすめです。
そろばんの6つの力とは?:そろばんの魅力、再発見!
入学試験では、限られた時間内にたくさんの問題を解くことが求められます。問題を考える時間を確保するためにも、計算を早くこなせる計算力を身に付けることは中学受験にも有利です。そろばんで身に付けた計算力は、中学受験にも活用できます。
また、受験する学校によっては資格や検定を取得していると内申点に追加されることがあります。そろばんである程度の級に合格していれば、内申点として評価され受験で有利となることもあるでしょう。
現役大学生、大学院生を対象としたアンケートでは、「やっておいてよかった習い事」の質問に対して「そろばん」と答える割合がもっとも高かった結果が出ています。
公文とそろばんを両方習わせると、子どもの年齢によっては「子どもが混乱する」「切り替えができない」などのデメリットがあると言われています。これは、公文とそろばんで数に対するアプローチが異なるためです。
けれども、大きな桁数の加減乗除も簡単に暗算できる計算力が身に付くそろばん、高校の数学レベルまでのステップを学年を超えて先へ学んでいける公文両方のメリットを得て、算数の力を大きく伸ばすことも可能です。
ただし、公文とそろばん両方を習わせることは子どもにとって大きな負担となることがあります。両方を習わせることで子どもが嫌がったり、算数や計算がきらいになってしまっては本末転倒です。両方を併用したい場合は、子どもの興味や得意・不得意に合わせてどちらかを選んだり、切り替えをしたりしながら進めるようにしましょう。
「算数を伸ばしたい」と考えているときには、公文とそろばんのほか、学習塾も選択肢となるのではないでしょうか。学習塾は学校の授業の補助的な役割を持っているため、「子どもが算数に苦手意識がある」「学校の授業についていけない」などの悩みがあるときには、塾の方が適している場合もあります。
また、難関校合格や偏差値アップを目的とした進学塾では、受験に向けての情報やノウハウを蓄積していることが多いです。成績やテスト順位などで同じ学年の生徒と競い合うこともできます。成績アップや志望校合格へのモチベーションにもつながるでしょう。
そろばん、公文それぞれの特徴やメリット、目的別の向いているシーンについて解説しました。算数の力や計算力を伸ばす点で考えると、そろばんと公文それぞれでメリットがあります。子どもの関心や得意・不得意を考え、そのときに最適な学習方法を柔軟に選んであげるのが重要です。
そろばんからは学習に必要な計算力だけでなく、日常生活で使用する割引、分配などに大きく役立つ暗算力も身に付けられます。また、小さいころからそろばんを学習することで集中力、情報処理能力、忍耐力などの脳の基礎力や、将来生きていくうえで必要となる能力も大きく伸ばせます。
さらに、いしど式そろばんではそろばんを教えるだけでなく、しつけも重要視した指導を行っています。挨拶や道具の取り扱いなどを通じて、小さいころから社会性などを身に付ける習い事としても適しています。算数や計算力だけでなく、子どもの将来性を考えた総合的な能力を身に付けたいなら、ぜひいしど式そろばんをご検討ください。
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